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カスタマーインタビュー:Dalziel J. Wilson氏

こんにちは、Dalさん。Dalさんは今スイス連邦工科大学ローザンヌ校のKippenbergグループで科学者として働いていらっしゃいますが、力を入れている研究テーマを教えていただけますか?
こんにちは、ジェレナさん。私たちのグループは、オプトメカニクスを研究していて、光を使ったメカニカルオブジェクトの測定と制御を扱っています。専門は、ナノメカニカル振動子の光学マイクロキャビティへのカップリングです。これらのデバイスはとても繊細なので、光子1つで量子化振動1単位(フォノン)を操作できるのです。

グループで研究しているセンサーは、生活にどう影響しますか?
そうですね、ナノメカニカル振動子は精密な質量センサー、力センサーの主要コンポーネントです。高精度でナノメカニカル振動を操作する方法がわかれば、例えば、原子間力顕微鏡の分解能を核スピン1つの解像度まで、もしくは質量スペクトル計の分解能を原子/分子単位まで向上させることができるかもしれません。そうすれば、生体医学や物質科学で面白い成果が得られるでしょう。キャビティオプトメカニカルシステムは、メカニカル振動子を高周波領域からマイクロ波、光波長領域まで、光の計測と周波数変換に利用することもできます。これは電気通信産業には魅力的なことです。個人的に好きな「応用」は重力波天文学ですが。超高精度長基線位置計測が実現できれば(つまり、1キロメール離れた物体の距離を陽子の1000分の1の大きさの精度で約1秒以内に決定できれば)、重力波と呼ばれる時空の小さなさざ波により「振動」している世界を捉えることができるようになるでしょう。重力波はブラックホール同士の衝突など猛烈な宇宙規模の事象で発生しますが、検出できるようになれば、宇宙観測の新たな扉が開かれることになるでしょう。…しかし、もう20年以上経過しましたがまだ何も計測できていません!

その成果を達成するために、弊社の機器はどうお役に立てますか?
ラボで最も行われているのは、RFノイズのスペクトル分析です。特に微小メカニカル振動子のブラウン運動を研究しています。これは、100 KHzから100 MHzの範囲の周波数と1 Hzまでの帯域幅のマルチモード振動子です。UHFLIロックインアンプは周波数の柔軟性に優れているので、各種日常業務で重宝しています。今のところ、広帯域高密度のFFTの採取には、UHF-DIGデジタイザーオプションが気にいっています。また、UFHLIをリングダウン計測にも使います(この場合にはロックインアンプとして利用します)。将来は、相互相関計測とフィードバック制御で使う計画です。一つの筐体にこれだけの機能を統合しているので、勿論とても魅力的です。

いつスイスへ来られたのですか?また、どのようにここでの生活に慣れていったのですか?
2013年にスイスに来ました。まだ完全には慣れていませんが、リラックスのために週に1回はアルプスを訪れています。

携帯電話はお持ちですか?
いいえ。

Dalziel J. Wilson

Dalziel J. Wilson

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