Zurich Instrumentsニュースレター - 2017年第4四半期号

論説

2017年第4四半期号ニュースレターへようこそ!

今四半期における嬉しいニュースは、新製品の高密度、マルチチャンネル任意波形発生器、HDAWGの販売開始です。HDAWGは当社の信号生成機器への参入を位置づけるものであり、当社の歴史における一つの節目です。当社の最先端信号取得システムと比較し、HDAWGはロックインアンプの技術を使っていません。下の最初の題目では新しいHDAWGについて詳しく記述されており、続く当社のプロジェクトパートナーへのインタビューでそのアプリケーションをより広い視点から説明しています。

Zurich Instrumentsの最初のインピーダンスアナライザであるMFIAは、18ヶ月にわたる販売期間を通して従来からの測定機器に代わる高性能機器として定着しました。低価格であることに加えて、当社の顧客は使い易さ、広い測定範囲を達成できる精度を好みます。当社ではアプリケーションの専門知識も高めています。下の項目をご確認ください。Deep Level Transient Spectroscopy (DLTS).

継続的な性能とパフォーマンス利益を提供するのに全力を挙げて取り組む中で、LabOne®ソフトウェアの新しいバージョンを12月にリリースします。

最後になりますが、現在1500フランstudent travel grant(学生のための旅費支給)への応募を受け付けています。適格基準を確かめて今すぐご応募ください。

どうぞ良いお年を、チューリッヒよりご多幸をお祈りします!

新製品:HDAWG、高密度、マルチチャンネル式AWG

HDAWG Basic specs

  • 2.4 GSa/s
  • 16ビット 分解能
  • 750 Mhz 帯域幅
  • 5 Vpp 最大アンペア数
  • <50 ns トリガ潜伏時間

詳しい仕様

模範アプリケーション

  • 量子コンピューティング
  • フェーズドアレイレーダー
  • SpectroscopyおよびNMR
  • 半導体デバイス試験

アプリケーションノート

アプリケーションノート:超伝導体キュービット キャラクタリゼーション

 

アプリケーションノート:超伝導体キュービットのアクティブリセット
Zurich InstrumentsのHDAWGマルチチャンネル任意波形発生器(AWG)は市場で最高のチャンネル密度を持ち、帯域幅最大750 MHzの高度な信号生成ができるよう設計されています。

HDAWGは、4または8 DC結合、シングルエンドアナログ出力チャンネルを搭載しています。最大化された帯域幅と卓越したノイズパフォーマンスにより、ダイレクトモードと信号振幅を最大5 Vppまで引き上げる増幅モードの間で出力を個別に切り替えることができます。チャンネルごとに2つのマーカーが利用でき、全16ビットの出力分解能を維持しながら精密なセットアップ同期化を可能にします。

ソフトウェアにより違いが生まれます

Zurich InstrumentsのコントロールソフトウェアであるLabOne®は、AWGのパフォーマンスや柔軟性と機能ジェネレータの使い易さをうまく一体化させた最先端のソフトウェアプラットフォームです。プラットフォームから独立したLabOneユーザーインターフェース(UI)とLabVIEW®、.NET、MATLAB®、CおよびPythonから選べるAPIにより、容易な測定の自動化と既存のコントロール環境への迅速な統合が可能になります。

マルチデバイス同期化(MDS)

MDSが搭載されていれば多端子HDAWGは単一マルチチャンネルAWGと同じように作動します:

  • 単一UI/APIから全機器を操作
  • 全出力チャンネルをピコ秒レベルに同期化
  • 全機器クロックのフェーズロック
  • UHFシリーズ機器向けのタイムスタンプおよびサンプリングレートの同期化
    64の同期チャンネルを取得するためにHDAWGを最大8ユニット統合します。

    発振器、変調、位相コントロール

    HDAWGはプログラムされたAWG包絡線信号とは独立した信号の正弦波搬送波を生成するためのデジタル発振器を搭載しています。それは、多数のパルスにまたがる超高速波形アップロードと精密な位相コヒーレンスにより長信号が生成されるのを可能にします。別の方法で統計的波形に書きこまれるキャリア周波数および位相は制限なく調整およびスイープされます。

    低潜伏時間トリガリングとシーケンス分岐

    低潜伏時間設計のおかげで、HDAWGはフロントパネル上のTTL入力の一つにおいて外部トリガを検出した後に最初の出力サンプルを50 ns以下に生成します。このパフォーマンスレベルは、デバイスプロパティが短時間に実行され、ナノ秒ごとに保存される量子コンピューティングにおいてフィードバック検証に欠かさないものであり、検証結果を飛躍的に向上させています。

    この特性がどれだけ重要な役割を果たしているか、以下のアプリケーションノートでご確認ください:

    超伝導体キュービットキャラクタリゼーションは、実際の計算が実施される前にすべての量子実験に必要とされる基本計測およびコントロールパターンのいくつかについて詳細を記載しています。

    超伝導体キュービットのアクティブリセットは、迅速なフィードバック能力およびキュービット初期化のための単体の機器に計測と信号発生をまとめるアドバンテージを示しています。

    当社のアプリケーション担当科学者によるデモのご予約、HDAWGのウェブサイトで詳細を確認するにはこちらからお問い合せください。

    プロジェクトパートナーへのインタビュー
    デルフト工科大学のLeo DiCarlo(レオ・ディカルロ)氏とチューリッヒ工科大学のAndreas Wallraff(アンドレアス・ワルラフ)氏

     

       
    Leo DiCarlo教授は、オランダのデルフト工科大学およびTNO量子輸送グループを指揮しています。   Andreas Wallraff教授 は、スイス チューリッヒ工科大学の量子デバイス研究室を指揮しています。

    こんにちは、Leo、Andreas。どの量子コンピューティングのアプローチが成功すると思いますか?それはどのタイムスケールにおいてですか?

    Andreas:一つ目の質問に対する最終的な結論は5年以内に出ると思います。結局のところ、10,000キュービット以上の量子コンピューターを構築する際に高まる問題を解決するのに重要な役割を果たすナノまたはマイクロ製造技術に基づいたアプローチであると思います。

    あなたにとって最も重要な貢献先はどこだと思いますか?

    Leo:私たちが最初に注目したのは設計段階の量子ハードウェアでした。今日私の研究室、全体としてQuTechにおいて量子コンピュータースタックのすべてのレイヤーの開発に取り組んでいます。量子コンピュータープロセッサの開発から旧来のコントロールエレクトロニクス、コンパイラ、アルゴリズムまで多岐にわたって課題に取り組んでいます。

    Andreas:私たちは、高度な忠実性を備えた迅速な出力または周波数多重出力といった特定の要素やサブシステムに全力を尽くしています。私たちは、エラー修正を必要とせず量子シミュレーションにも利用できる量子アルゴリズムについての研究も行っています。

    量子コンピューティングが従来型のコンピューティングを最初に追い越すのはいつだと思いますか?

    Andreas:この先1、2年以内に、量子の優位性または量子コンピューターの操作が真の量子の有利性を実証するニュースをもっと耳にすることになると思います。興味深い質問は、解決される課題は何か、その結果出てくるアプリケーションは何かということです。量子コンピューターが旧来のコンピューティングに取って代わるまでには、分子構造のシミュレーションなどの課題に取り組みながらあと5~10年はかかると思います。

    政府プロジェクトの役割は何ですか?

    Andreas:私たちがデルフト工科大学、TNO、Zurich Instrumentsと協力して取り組んでいるIARPA LogiQ 5年プログラムを一例として取り上げてみましょう。プログラムは非常に明確かつやりがいのある課題であり財政的援助も十分にあります。物質キュービットに取って代わる論理キュービットの実証に取り組むチームへ参加する活動に焦点を当てています。

    Googleやインテルといった大企業の役割についてどのような見解をお持ちですか?

    Andreas:今日、テクノロジーはいまだ業界内企業が研究グループと提携しなければならない段階です。莫大な財源もただ一つの企業が量子コンピューターを一つ築き上げるのにすら不十分だと思います。長い目で見れば、膨らんだ課題をいざ克服するというときには大企業がその役割を果たすでしょう。

    Leo:インテルとQuTechが大きな相互利益を引き出す両者の共同事業について具体的に説明することができます。インテルは量子ハードウェアの開発を次の段階へ推進しデバイスを非常に高収率に生産する知識と能力をもちあわせています。

    Zurich Instrumentsのような小規模企業も重要であるのは何故ですか?

    Leo:SMEは高度に特化された専門知識をもっておりこの分野において大きな影響を持つ可能性があると思います。さらに、彼らの柔軟性やチャレンジ精神は短期間のうちに大きな変化をもたらす可能性があります。それは予算について(のみ)ではなく、正しい革新的精神と原動力をもつことについても非常に言えることです。

    Zurich Instrumentsとの共同事業から得られる利益は何ですか?今までで際立っていたことは何ですか?

    Leo:Zurich Instrumentsとの共同事業は、私が上で述べたことの最高の事例です。それはまさに双方に利益となる状況です。私たちには早い段階における新製品の構築に貢献し、私たちのニーズすべてに応えてくれると確信できるチャンスがあります。Zurich Instrumentsは一方で発信元に近く、HDAWGの主要なアプリケーション分野を早い段階で見抜くことができます。私たちは、建設的な解決策が時に予期せぬ障害となったときにZurich Instrumentsの迅速性と実用主義を重んじます。

    Andreas:私たちにとって印象強いことは提案をし耳を傾ける機会があったことです。研究室で生まれたアイデアがどのようにして一般の人に利用される製品として市場に送り出されていくのか見届けることはやりがいのあることです。

    なぜ世界にはHDAWGが必要なのですか?それによってどのようにあなたの生活が向上しますか?

    Andreas:私たちが求めることは、高チャンネル密度、極省スペース、同期化が同じ機器のチャンネル間に限らず複数機器にわたっても機能することです。

    Leo:AWGは複雑なマルチキュービット実験をコントロールするすべての波形を生成することから、私たちの実験設定にとって重要なものです。AWGチャンネルの必要性は、量子プロセッサに統合されるキュービットの数にあわせて直線的に増えていきます。HDAWGは、チャンネルと高チャンネル密度間の精密な同期化といった必須機能を提供します。さらに、HDAWGはリアルタイム線形フィルタリングを提供し、それはAWGパルスをクライオスタットのサンプルに送信する際に発生する信号ひずみを補正するのに必要不可欠となります。他の革新的な機能としてトリガをベースとした低潜伏時間コード名があげられ、フィードバックコントロールと他の主要タスクに必要とされます。

    HDAWGの開発にどのように携わってきましたか?

    Andreas:私たちは、アナログパラメータやフィードバック潜伏時間に関する要求に関する機器の仕様に貢献しました。Leoのチーム同様、Zurich Instrumentsとともに今年の夏に受け取った最初の原型機器に生じた課題を割り出しそれに取り組んできました。

    サンフランシスコでの直近のIARPA LogiQプロジェクトミーティングに参加したZurich InstrumentsのAWGの主任技術者であるNiels Haandbaek氏、Andreas Wallraff氏、Leo DiCarlo氏。

    サンフランシスコでの重要点は何でしたか?

    Leo:もちろん、Zurich Instrumentsのプロジェクトリーダーでありサイクリスト部長でもあるAdrianとゴールデン・ゲート・ブリッジを横断したサイクリングです。真摯に申し上げて、量子コンピューティング向けの最も重要な2つのプラットフォームに関しての研究を行っている科学者たちを動員して一つの部屋で話し合いを持てることに大変喜びを感じています。超伝導体キュービットと捕捉イオン分野からの研究者たちがオープンに自分たちの経験を交換し合い進捗を報告し合っています。半年ごとにテクノロジーの進化を目の当たりにし、その一翼を担うことに胸が躍ります。

    Andreas:他のQusurfパートナーと話し合いの場を持つ機会はもちろん、他のLogiQチームの進捗の様子を確認することも同様に素晴らしいことです。サンフランシスコでは、これまでに達成してきたことが評価され、Qusurfに関して次の指針となる目標に向かって引き続き熱意をもって取り組む大きなモチベーションとなっています。

    アプリケーション ノウハウ:MFIA搭載Laplace-Deep Level Transient Spectroscopy

    アプリケーションノート:MFIA搭載Laplace-Deep Level Transient Spectroscopy
    当社の最新のインピーダンスに関するアプリケーションノートでは、5 MhzインピーダンスアナライザおよびLCRメータであるMFIAの従来方式とLaplace方式(L-DLTS)でのDeep Level Transient Spectroscopy(DLTS)へ利用方法について実証しています。

    DLTSは電気的に半導体の活性欠陥を特徴づける有力なツールです。その技術は電圧パルスが適用されている間にキャパシタンス過渡を獲得することを伴っています。機器への挑戦は無限です。ノートにはMFIAが分解能0.1 msの時間でキャパシタンスデータを獲得することによりどのようにDLTSの設定において主要な役割を果たすかについての概要が記載されています。それにより過渡の全期間を通して過渡が解消され、それには数秒かかる可能性があります。ノートには、周波数、収集時間、過負荷復旧時間の柔軟な機能など、製造終了したBoonton 7200 for DLTSと比較したMFIAの利点も記載されています。

    あなたのインピーダンス応募資格についてご相談したい場合は、Tim Ashworthへお問い合せください。

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