2016 年第 3 四半期号

論説

LabOne は現在、画像生成ア
プリケーションをサポートしてい
ます。
秋期ニュースレターへようこそ!画像生成アプリケーションをお持ちですか?最新バージョンの LabOne は、1 つ、または複数の測定パラメータをライントリガーに基づいた画像に変換します。今年の末に予定されているさらに向上した次のリリースは、LabOne ユーザインターフェースに画像を直接お届けします。次の記事、顧客インタビュー、ならびに最新の刊行物の一覧を通して、この開発の様子を初公開いたします。

会社としましては、中国に新しい事業所を開設することで、さらに大きな一歩を踏み出しました。上海で新しいベンチャーを始動させる人たちの高いモチベーションについて、以下の記事で紹介します。

私たちは、ここチューリッヒで開催された量子情報処理の一線で活躍するエキスパートたちの集いとして IARPA が最近開催した LogiQ 会議参加しました。以下がそのレポートです。新たに開発した UHF-AWG 任意波形発生器、ならびに絶え間ない改良努力を通して、私たちは本格的なユニバーサル量子コンピュータを開発するという長期的な目標に貢献しています。

最後に、Student Travel Grant 2016(学生のための旅費支給)の獲得者たち、彼らの刊行物、および Zurich Instruments の新しい動画を YouTube チャンネルでぜひご覧ください!

LabOne の新製品 16.04:画像の記録

代表例として CARS、SRS、および THz スペクトロスコピーを通してスキャンプローブ顕微鏡検査(SPM)と非線形画像生成を行っている当社の顧客にとって、画像生成のアプリケーションは最も重要なものの 1 つです。Zurich Instruments のすべてのロックイン増幅器には個別に設定可能な 4 つの補助出力(オフセットと倍率を含む)が伴っているため、それらを使用して測定信号を市販の顕微鏡コントローラのアナログ入力に測定信号を送ることができます。このアナログのインターフェースには、迅速かつ便利にセットアップを行えるなど数多くの利点があるほか、解りやすく、メンテナンスが行いやすく、使いやすいといった特色があります。

アナログインターフェースの限界

アナログインターフェースは、数多くの欠点もあります。例えば

  • アナログ入力チャンネルの数が限られているため、同時に記録する必要のある復調器、PID コントローラなどからの複数のデータソースを伴う複数チャンネルアプリケーションが阻害されてしまいます。
  • 測定信号を最初にアナログドメインに変換し、次にデジタルドメインに戻すと、変換ロスが原因で信号対ノイズ(SN)比が劣化する可能性があります。
  • コントローラハードウェアへの依存、ならびに速度、分解能、および入力レンジに関する限界があります。

LabOne 画像生成

これらの欠点への第一の対処法は、測定器具からデータを直接取り出して、それらを画像に変換することです。必要なもの

  • ライントリガにより検出される開始イベント、およびユーザ定義の期間に基づく「ライン」の明確な定義。
  • 適切な補間および(または)平均化を伴う必要な数の画素に対する、記録されたデータサンプルの再サンプリング。
  • 定義されたライン数に基づき、マトリックス状のデータをグリッドデータ構造の中に保存します。

現在、これはすべて LabOne ソフトウェアトリガモジュールに実装されています。トリガーの方法で複数のチャンネルにおいて持続可能な 800 kSa/秒以上までストリーミングすることができる力を持つ[製品カテゴリにより異なる] LabOne サーバアーキテクチャは、画像取得能力において強さを発揮し、一様のビデオ速度(512*512 画素/秒)は転送速度制限を大きく下回っています。 

百聞は一見にしかず

実際の用途で活用している当社の顧客、Ehsan Esfahani(以下に示すインタビューの内容を参照)は、新しい LabOne(16.04 リリース)ソフトウェアトリガーモジュールでグリッドモードと同時に保存した、複数のデュアル周波数共鳴トラッキング(DFRT)の複数の画像を得ています。振幅、位相、周波数、および Q 因子といったいくつかの例を左に示します。

詳細な情報については、Romain Stomp/Daniel Wright の最新のブログをご覧になるか、当社の顧客サービス部門にお問い合わせください。

Zurich Instruments のロックインでの画像生成に関する最近の刊行物

顧客インタビュー:Ehsan Nasr Esfahani

Ehsan Nasr Esfahani、クリー
ンエネルギー協会、シアトルの
ワシントン大学、深圳市高度技
術協会、中国科学院、深圳市、
中華人民共和国

Ehsan さん、こんにちは。あなたのようなアメリカと中国の間を行ったり来たりしながら、いわば世界規模で測定作業に従事しているお客様にお目にかかれて光栄です。あなたのお仕事について詳しく、また様々なラボで測定作業に従事することで得られるメリットについて具体的にお話ししてくれませんか。

私が従事しているのは、ナノスケールの空間分解能でエネルギーの保存を精査するための新しい技術の開発です。私たちが行っている高精度の測定作業の多くは、スキャンプローブ顕微鏡(SPM)法に基づいており、様々なモードで SPM プローブの小さな動きを観察していることがほとんどです。私たちが深圳市とシアトルに構えているラボには、それぞれに異なる設備と測定機器が取り揃えられていますが、それらのどれもが特定の試験に必要なものなのです。結局、二国間を飛び回るいい口実になっていますね。

以前に、SPM の未来はプローブとモードにかかっていると聞いたことがあります。これについてはどう思われますか?

SPM は多くの用途に使える器具で、プローブ先端の下にある様々な物理現象を測定することができますが、人の指のようなプローブがサンプルに接触し、ある特定の挙動を感じ取るという至って単純な原理に立脚したものなのです。あとは私たち使用する側にかかっています。接触のさせ方や感じ取り方など。

一例についてお話ししましょう。最近、私たちは AFM で新しい「加熱プローブスキーム」を利用しました。ソリッドステートの抵抗器を使用して、プローブ先端の温度を上げるというものです。プローブがサンプルに接触している間に周波数 f の変調電流をプローブの抵抗器に適用すると、プローブの温度とプローブ自身が周波数 2f で振動し始めるのです。プローブ先端にイオンが存在していると、それらは周波数 4f で振動します。このように、最近数十年の間に使用されていたのは古典的な AFM 接触モードです。しかしながら、エネルギー貯蔵物質のイオンの動きを観察することを目的とした新しい独自性の高い方法が誕生しており、これは現在、特許申請中です。これまでにない分解能を発揮するこの方法は、すでに発表されています。ナノスケールの局所的電気化学をプロービングするためのスキャン熱イオン顕微鏡法

このような回答でよろしいですか?しかし、前提条件として、信頼性の高い方法でデータを取得するための能力が必要であることを忘れないでください。

あなたは、当社の最新の LabOne リリースがもたらす利点を最初に享受されているユーザのうちの一人です。あなたは、使い方をとても早く習得されました。グリッドアライメントでライントリガーから画像を直接記録するということは、どれほど便利なことでしょうか?

はい。随分と便利になりました。画像生成においては、常に大きなメリットをもたらしてくれます。しかし、測定データをプローブの動きに整合させることは簡単ではありませんが。視覚化と後処理が、より簡単に行えるようになりました。御社の次のバージョンでは、リアルタイムで画像を生成するツールが使えるようになることを期待しています。そうなったら面白いでしょうね。

入力ごとの復調器の数が 6 台というのは、十分な数でしょうか?それとも、より多くの復調器が必要とお考えですか?一度に何枚の画像を生成することができますか?

私は一般的に、「多ければ多いほど楽しいことが起きる」と考えていますので、これも例外ではありません。しかし、6 台の復調器にクアッド PID が 1 つ組み合わせられるのは、たとえ複雑の高調波の物理現象を測定するにしても十分過ぎるといえます。12 枚の画像を一度に簡単に生成することができるのですから。

では、複数の現場で ZI のサポートが得られていることについてどう思われますか?正直にお答えください。

中国にいた時間はとても限られていたので、私たちは新しい HF2LI の操作方法をとても短期間で習得することを余儀なくされました。ユーザフレンドリな LabOne のインターフェースに加え、ZI のサポートが学習に費やす時間を大きく短縮し、私たちが直面している問題を解決することに大きく貢献してくれたと思います。一般的に、彼らは機敏に反応してくれ、実用的な解決策を短時間のうちにもたらしてくれました。彼らは、自社製品だけでなく、アプリケーションについてもかなり知識が豊富であると見受けられました。

中国の「科学者を訪問」して、どのような気分でしょうか?こうした方法で文化交流することで、最も楽しいことは何でしょうか?

中国の科学者を訪問するというのは、膨大なリソースがもたらされるという意味で素晴らしく、かけがえのない経験だと思います。文化交流について言えば、料理そのものと料理を取り巻く食文化がとても興味深いですね。私たちは毎週、昼食や夕食を共にしますが、そのメニューの豊富さには驚かされます。

会社に関する最新情報:上海事業所が業務を開始

Davis Wang、現地マネージャ

James Wei、中国事業開発マネージャ

中国の顧客により良いサービスを提供するため、Zurich Instruments は 6 月 23 日に上海に子会社を設立しました。この会社は、Zurich Instruments が初めて海外に設立する子会社となります。Davis Wang(38才)が現地マネージャに任命され、中国事業開発マネージャである James Wei(41才)と共に業務を主導してゆくことになります。

Davis Wang は、中国における科学技術分野で豊富な営業経験を培っています。DEWETRON で 10 年にわたり優れた実績を築いた彼は今度、中国で新しい事業所を運営し、素晴らしい組織に成長させるという経験を積み重ねることになります。Davis は以下のように話しています。「創造力に富み、強力なブランド力を持ったこの会社の一員になれ、中国における事業開発を主導できてとても光栄です。上海で事業を軌道に乗せたら、すぐに技術とビジネスに関して専門知識を持つ人材を確保し、優れた組織を築いてゆくつもりです。」

カナダ生まれの台湾系の James Wei は英語、フランス語、および中国語に堪能ですが、5 年前に Zurich Instruments の一員となり、マーケティング&営業部門で活躍しています。彼はこれまでに、アジアにおける国際営業と事業開発に中心的に取り組んできました。ハイエンドの器具類に向けた製品とアプリケーションに精通している彼は、地域の顧客サポート体制の構築に貢献することになります。

Zurich Instruments の共同設立者で CEO を務める Sadik Hafizovic 博士は、以下のように語っています。「中国は当社の戦略上とても重要な国です。私たちは、現地の人たちで構成される中国の事業所が、アジアの顧客と当社のつながりを深め、より良いサービスを中国の科学者たち、ならびに民間企業の研究開発部門に提供する上で大きく貢献してくれるものと考えています。試験と測定の分野で世界的な技術リーダー企業になるための重要な節目となるため、今回の事業展開には個人的には大きな期待を込めて見守っています。」

連絡先

Zurich Instruments (Shanghai) Ltd.
Room 2015-2016, Block A
Gateway International Plaza
325 Tianyaoqiao Road, Xuhui District
Shanghai 200030
China

電話: +86 21 6487 0285 / 87
ファックス: +86 21 6487 0289
davis.wang@zhinst.com
www.zhinst.cn

パートナーとプロジェクト:Zurich Instruments は、ユニバーサル量子コンピュータの実現に向けた努力を支援しています。

2016 年 8 月 24 日から 26 日にかけて、米国インテリジェンス高等研究計画活動(IARPA)のプログラムである LogiQ の一環で、量子コンピュータ分野の専門家たちがチューリッヒに集まり、超電導技術とイオントラップに基づく量子コンピュータについて話し合いました。Zurich Instruments は、信号の取得と管理の技術である任意波形発生器(AWG)のサプライヤとしてこれに参加しました。この他に、IBM、デューク大学、およびデルフト工科大学が率いるチームもこれに参加しました。LogiQ というプログラムは 2016 年 2 月より、量子システムに基づいたユニバーサル量子コンピュータが現在持っている限界を克服することを目的に進められています。

この会合の一環として、Zurich Instruments は参加者たちを Technopark Zurich のツアーに招待しました。複数の短時間にわたるセッションで、参加者たちは開始、製品、現在の課題、そして将来の見通しまでを紹介するコースを見学しました。Zurich Instruments のチームはまた、超電導ベースの量子システムの中で磁束線をコントロールし、RF パルスで量子ビットを設定する自社の AWG 製品について紹介しました。参加者たちはさらに、器具類を実際に操作することを経験し、質問を投げかけ、アプリケーション開発担当者、ならびにソフトウェアやハードウェアの専門家たちと意見を交換することができました。

今回、このような機会を与えてくださった LogiQ 会議を主催してくれた方々、ならびに素晴らしいプレゼンテーションを行い、熱い議論を交わしてくれた参加者の皆さんに厚くお礼申し上げます。

当社の YouTube チャンネルで公開している最新の動画

Paolo が LabOne オシロスコープとデジタイザの機能性について紹介いたします。主な機能、ならびに実際の実験作業での使い方について学んでください。

最新の動画では、LabOne の時間ドメイン解析ツールについて紹介しています。数値タブ、プロッタ、およびソフトウェアトリガーについてより詳しく学んでください。

Student Travel Grants 2016(学生のための旅費支給)の獲得者たち

提出された論文を通し、世界の様々な研究チームにより当社の器具が様々な用途で活用されていることを知ることができて光栄です。今年のStudent Travel Grants 2016(学生のための旅費支給)の獲得者を発表させていただきます。

- Le Wang、リーハイ大学、ベスレヘム、米国
- Pascal Grégoire、モントリオール大学、カナダ
- Jens Grimmel、テュービンゲン大学、ドイツ 

1,500 スイスフランの補助金を支給いたしますので、科学会議に出席する際にお役立てください。

今回の獲得者による論文は、こちらから閲覧することができます。

Le さん、Pascal さん、Jens さん、どのような用途に Zurich Instruments の機器を使用したのですか?

  「独自の複数の高調波復調機能、ならびにプログラミングへのアクセス性により、私たちは散乱タイプの近接場光学顕微鏡法でナノスケールの近接場垂直相互作用を再構築することができました。」

Le Wang、リーハイ大学、ベスレヘム、米国

   
  「私たちの多次元的スペクトロスコピー技術は、一連の超高速レーザーパルスを使用して、半導体のコヒーレントエネルギー経路をフェムト秒単位で解明します。振幅変調機能を備える Zurich Instruments の HF2LI ロックイン増幅器は、正確かつ利便性の高い方法で、複数のエネルギー経路に関連した弱い非線形信号を同時に抽出します。」

Pascal Grégoire、モントリオール大学、カナダ 

   
  「私たちは実験を通して、電磁誘導透明化(EIT)と呼ばれる効果を使って、ルビジウムの励起した原子状態(リュードベリ状態)のスペクトルについて研究しています。このとき、2 つのレーザービームがルビジウムの蒸気のサンプルを通して相互に伝搬し、いずれか一方のビームが光ダイオードによって測定されます。私たちは HF2LI を使用してこの伝送信号を復調し、その一方で他方のレーザービームの強度を変調します。そして、信号対ノイズ(SN)比をさらに向上させるため、私たちは機器の周波数変調オプションを利用しています。」

Jens Grimmel、テュービンゲン大学、ドイツ 

電話 +41 44 515 04 10 (英語) +81 (0)3 3356 1064 (オプトサイエンス)(日本語) または下記よりメッセージをお送りください

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