誘電体測定
アプリケーションの概要
誘電率測定はインピーダンス分光測定法の一つで、媒質や試料の誘電特性(誘電率、損失係数)を周波数の関数として測定する手法です。 誘電体は、直流では非常に低い伝導率の電気絶縁体ですが、分極性があり、低い周波数や 中程度の周波数領域では電荷を蓄えることができます。この容量性の特性を利用して、誘電は電荷の充・放電を利用したデバイスに使われています。誘電体の用途としては、以下のようなものが挙げられます。
- 低損失の電気部品
- バッテリーやスーパーキャパシタなどの充電デバイス
- 半導体デバイスのHigh-kおよびLow-kゲート
- 圧電素子、強誘電素子センサ、トランスジューサ
誘電体をインピーダンスの側面から研究することは、材料の物理特性を完全に理解し、デバイス性能を最適化するために必要となります。
測定手法
誘電体の特性評価は、2つの電極に密着させた幾何学的形状が明確に定義されたサンプルで行います。一般的には、平行板型のフィクスチャ(図1参照)や、特定の電極面積と間隔を持つ液浸型プローブを用いて行います。この形状をもとに、R//CまたはC//D等価回路モデルを構築し、誘電率(誘電率)を算出します。 多くの場合、図1のようなフィクスチャに、Qメータやオートバランスブリッジ法の測定器を組み合わせて使用します。しかし、これらの測定器では、低周波や高インピーダンスでの測定が困難です。
位相感度の高いロックイン検出を用いた I-V 測定は、誘電体の特性評価に おけるさまざまな問題点を克服することができる優れた方法です。MFIAインピーダンスアナライザは、2 mdegの優れた位相精度で1 TOhmまでのインピーダンスを正確に測定することができます。誘電率測定は、LabOne®制御ソフトウェアおよびそのスイーパーモジュールによって直感的に行うことができます(図2参照)。誘電特性の時間変化を調べるには、LabOneのプロッタ(図3参照)またはデータ収集(DAQ)モジュールを利用して、時間領域での測定を実行することが可能です。これらのツールは、MFIAを低温/高温槽と統合して、温度に依存した研究をサポートすることもできます。低周波の実験では、スイーパーを含むすべてのLabOneモジュールで5 MHzから1 mHzまでのテスト信号を設定できます(図4参照)。
図 4: LabOne Sweeperモジュールのデュアルトレースモードで、エア・ キャパシタのインピーダンス(上のウィンドウ)、位相とキャパシタンス(下のウィンドウ)を表示したもの。アニメーションは1000倍の速度。
Product Highlights
Zurich instrumentsを選ぶメリット
- 誘電体を広い周波数範囲で測定することができます。 誘電体を測定できます。1 mHzまでの広い周波数範囲と、1 TOhmまでの幅広いインピーダンス範囲で測定できます。
- 1 周期の平均化機能により、低周波の測定時間を短縮できます。
- 時間のかかる掃引を行わずに、リアルタイムの等価回路パラメータを求められます。
- MFIAの優れた位相精度と損失係数の低いベースラインにより、信頼性の高い結果が絵得られます。.
- LabOne APIにより、本測定器を既存の誘電体試験セットアップに簡単に統合することができます。